六本木ヒルズにある料亭「よし澤」にて
亭主の吉澤様に、
タイガー魔法瓶100周年記念商品となる
JRX型の炊きたてごはんをご試食いただきながら、
“土鍋炊きでなければならない理由”に迫りました。
目指したのは、
直火で炊いた土鍋ごはんの
おいしさ
辻本 JRX型の炊きたてごはんのお味はいかがですか。
吉澤 粒がしっかり立っていて、甘みが感じられる。ごはんだけで食べても旨いですよ。
辻本 ありがとうございます。目指したのは、直火で炊いた土鍋ごはんのおいしさです。サーモグラフィーで測ると、土鍋の底の中央部分が最も熱く、周辺にゆっくりと熱を伝えていることがわかりました。着目したのはこの温度差です。温度差によって激しい熱対流が起こり、一粒ひと粒にしっかりと熱を伝えることができるのです。
吉澤 温度差を生み出すために、どのような改良を加えたのですか。
辻本 まったく新しいIH構造「300℃WレイヤーIH」を開発しました。これが2つの大きな効果を発揮します。ひとつ目は、コイルの隙間が少ないシームレス構造とすることでムラを少なく加熱できるようになったこと。もうひとつは、2層構造です。中央部分の火力を最高温度約300度まで高め、圧倒的な大火力を手に入れました。これにより直火の温度グラデーションを再現できたのです。
吉澤 なるほど、中心の温度を約300度に高め、2層構造IHで熱対流を起こしているのですね。
辻本 内なべに土鍋を採用して以来、IH構造を進化させることは初の試みでした。料亭で出されている味わいに、さらに一歩近づいたのではないかと自負しています。料亭「よし澤」様では土鍋ごはんを名物にされていますよね。土鍋にこだわる理由はどこにあるのでしょうか。
「ごはんだけで旨い」
そう感じられるのは
土鍋ごはんならでは
吉澤 お米は子どもの頃からずっと食べ続けているから、普段はじっくり味わうことはないですよね。けれども、自分自身がお米だけで「旨い!」と感じられたのが土鍋ごはんだったんですよ。
辻本 土鍋で炊くとどう違うのでしょうか。
吉澤 炊飯は3つの要素が大事だと考えています。お米とお水、そして炊く道具です。お米はα化(糊化)することで旨みが引き出されるため、直火の熱をじっくりと蓄え、お米にしっかりと伝えられる土鍋が最高の道具だと思うのです。このため土鍋にこだわり、季節ごとにお米の銘柄や水の分量を微調整しながら炊きあげています。
辻本 JRX型ではご家庭で最も多く炊かれるコシヒカリを、産地の気候風土に合わせて炊きわける「産地炊き」を採用しました。料亭「よし澤」様ではお米をどのような基準で選ばれているのですか。
吉澤 新米が出るたびに品種を変えて試していきます。佐賀の七夕コシヒカリからスタートして福井、山形、青森へ。最終的に、その年にどのお米を使うのかを決めます。そうやって食べ比べると、粒の大きさや甘みは随分違うものだと感じます。お米はまだ未知のおいしさを秘めているのかもしれませんね。
辻本 固定観念を外して考えることも大切ですね。このJRX型は100周年記念商品として、おいしさはもちろん、デザインや使い勝手にも従来にないこだわりを詰め込みました。炊飯の作動状態を伝えるエモーショナルランプもそのひとつです。
吉澤 スタイリッシュでかっこいいですね。何よりお米をセットしてキーを押すだけで、誰でも簡単においしい土鍋ごはんを炊きあげられるのは大きなメリットだと思います。炊きあがったら本土鍋を取り出して、食卓に持ってくるのもいい。本土鍋がそばにあると会話が弾み、おかわりだってその場でできます。温もりに満ちた心豊かな時間を味わっていただけそうですね。
吉澤 定久
京都と東京で修業を積んだ後に独立。
2010年に「ぎんざ 一二岐」を開店し、ミシュランの星を獲得。
2014年11月「銀座 よし澤」を開店。
2018年9月「よし澤」を開店。
正統派京懐石の流れを基本に、季節を捉え、物語のある構成で料理を展開する。
辻本 篤史
「ご泡火炊き」の商品企画担当。入社13年目。営業として家電量販店の本部を担当後、
1年間のアメリカ研修を経て現部署へ。ケトルや電気ポットの商品企画に携わった後、ジャー炊飯器を担当。