土鍋を知る

【土鍋の名店を求めて】おにぎり専門店「おにぎり竜」

「始めちょろちょろ、中ぱっぱ」
かまどごはんのようにおいしく炊ける火加減を再現したのが、タイガーの土鍋炊飯器です。土鍋炊飯器で炊きあげたごはんは、ほんのり甘く、香ばしいかおり。蓋を開ければ立ち昇る湯気に、思わず食欲を誘われます。おや、どこからか炊きたてのかおりが。どうやら近くに炊きたてごはんを食べられるお店があるようです。少しお邪魔してみましょう。

元プロボクサーがにぎる出来たておにぎり。

今回伺うのは、大阪の繁華街・北新地に店を構える「おにぎり竜」。
入口の暖簾をくぐって一歩踏み入れると、まず木組みの屋台が目に入ります。どこか昭和の懐かしさを感じられる店内。ついつい長居してしまいそうなくつろげる雰囲気です。客席は厨房になっている屋台をぐるりと囲むように配されたカウンターのみ。握りたてのおにぎりをすぐに提供できるようにとの配慮から、この造りになっています。

カウンター越しには熱々のごはんを手早く握る店主の姿を見ることができます。店主の山中竜也さんは、なんと元プロボクサー。第19代OPBF東洋太平洋ミニマム級王者・WBO世界ミニマム級チャンピオンにまで昇り詰めましたが、怪我のために23歳の若さで惜しまれつつ引退。その後のセカンドキャリアとしてスタートしたのが、このおにぎりの専門店でした。

こだわりのおにぎりにが、山形県産の「つや姫」を使用。さまざまな銘柄のお米を試食した結果、炊きあがりのツヤとほどよい粘りがおにぎりにした時に最もバランスが良く、冷めてもうま味がしっかり残る「つや姫」を選んだそう。炊飯器は、内なべ本土鍋を使用しかまど炊きごはんのおいしさを再現できる「土鍋ご泡火炊き」。一粒ひと粒をじっくり加熱することで、厳選されたお米本来の旨味を引き出しています。

やさしいにぎりから生まれるふんわり食感。

早速、おにぎりを頂いてみましょう。
具材は山中さんおすすめの「乱王醤油漬け」。大分県産の卵「蘭王」の黄身を、だし醤油に4日間漬け込んだものです。炊きたてごはんを木製の方にふんわりよそったら、具材を優しく包み込みます。

味にムラができるのを抑えるために指の腹全体に塩を塗り、握ります。
山中さん曰く、三角形を作ろうとして握ると力が入りすぎて米粒がつぶれてしまうので、ごはんをまとめるようなイメージでやさしく握ることがポイント。握る回数は3回。全部の角を1回ずつまとめるようなにやさしく「ぎゅっ、ぎゅっ、ぎゅっ」と。米粒が立ったふんわりした食感になります。

海苔は有明産の最高級品。炭火でサラッとあぶります。そうすることで、海苔の香りが立ち、パリッとした食感になるとのこと。ごはんに海苔を巻き付け器に盛れば、こだわりのおにぎりの完成です。
出来あがったおにぎりにかぶりつくと、歯切れのよい海苔の風味、ふわりとほどけるお米、濃厚な卵黄が抜群のハーモニーを奏でます。

こだわりの具材は、20種類超。

具材は定番メニュー20種と季節のメニュー3種が用意されています。カウンター前に具材が並べられる光景は圧巻で、どれを選ぶか迷うのも楽しいもの。そこで山中さんに、おすすめの具材を教えていただきました。

乱王醤油漬け

山中さんの一押しはやはり、「乱王醤油漬け」。卵には、黄身の味が濃厚な大分県産「蘭王」を使用し、その卵黄を4日間だし醤油に漬け込んでいます。こちらは山中さんが現役時代に、苦しかった減量中のごほうびとして食べていたものを再現した具材。トロリと濃厚な卵黄が熱々のごはんに絡みます。

酒 梅

梅をお酒とみりんに漬け込んだ「酒梅」も、人気の具材の一つ。
まろやかな酸味がお米の甘さを引き立ててくれます。

北新地ツナマヨ

北新地が名前に付いたオリジナルツナマヨは、刻んだワサビを一緒に和えた大人の味。コクのあるツナマヨにワサビの辛みがピリッと効いて、アクセントになっています。

このほかに、定番具材の「焼き鮭」をはじめとして、おかかにかつお節と糸かつおを加えた「にゃんこ三昧」や、あごが落ちるほどおいしいという博多さん明太子を使った「あご落とし明太子」なども。バラエティ豊かな具材に目移りしてしまいますね。
炊きたてごはんのかおりがあふれる店内で、具材をじっくり選ぶのもまた一興。あなたもぜひ、「おにぎり竜」を訪れてみてください。

おにぎり竜

大阪市北区曾根崎新地1丁目1-16 クリスタルコートビル103号
電話:06-6131-7717
営業時間:18時30分~深夜
定休日:日曜・祝日
※緊急事態宣言などの影響により営業時間は異なる場合があります