土鍋を知る
母のおはぎは、このおいしさでした。
こんなに嬉しいことはありません。しあわせなことはありません。
「なぜなら、祖母から母へ受け継がれた、わが家のおはぎが、今日、自分でも上手に作れたのですから。
「おはぎは一度作れると、何度もこしらえたくなるのよ。うまく出来るとみんなが喜ぶから……」と母はよく言いました。
今でも、母の手作りするおはぎの素朴な味わいが忘れられません。わが家のおはぎは、もち米と米を同量合わせて土鍋で炊くのですが、これまで何度炊いても、どこかちょっと違う味わいだったのです。もち米の甘さが少し足りないのです。
そんなふうに、僕にとっては、直火の土鍋でもち米を炊くのはとってもむつかしく、いつしかもち米を炊くことを敬遠していました。
手で丸めるのがたのしいおはぎ
そんなある日、土鍋圧力IHジャー炊飯器(JPG型)でも、もち米を炊けることに気づき、早速、母のレシピ通りに炊いてみたら、あら、かんたん、しかも、もち米ってこんなに甘かったのかと思えるくらいに、上手に出来上がり、思わず小躍りしてしまいました。
つぶあんの材料は、小豆と砂糖だけです。小豆は300グラムくらいが作りやすいでしょう。砂糖の量は小豆と同量。お好みですが、隠し味にハチミツを少々加えると味にぐっと深みが出ます。
つぶあんの作り方は、みなさまがご存知の通りです。お忙しい方は、お店で売っているつぶあんでも結構です。今回は、もち米を炊いて、おはぎを手で丸めるところを紹介しましょう。
わが家のおはぎはこんなふうに
1.今回は三合炊きました(おはぎ約20個分)。もち米と米を一合ずつ合わせて、水でとぎます。土鍋圧力IHジャー炊飯器の土鍋の内側の「おこわ」の目盛り(三合)に合わせて、水を加え、もち米と米を30分ほど水に浸けておきます。「おこわ」の設定で炊き上げます。
2.炊きあがったもち米は、すり鉢に入れ、半分くらいつぶれて、少しねばりが出るように、すりこ木でつぶしながら混ぜます。あまりつぶしすぎないように注意しましょう。すりこ木は長年愛用している山椒のものです。
3.もち米を手の平に乗るくらいの大きさにひとつひとつ丸めて、大きめのお皿やまな板の上に置いていきます。
4.手の平に適量のつぶあんを置き、丸く平たく伸ばします。その上に丸めたもち米をのせます。
5.そのまま、つぶあんともち米をひっくり返し、もち米のまわりをつぶあんで包むようにかたちを整えます。底の部分までは包まなくて結構です。おはぎが出来上がりました。
土鍋圧力IHジャー炊飯器は見えるところに
ところで、わが家の土鍋圧力IHジャー炊飯器は、作る料理や、その日のシチュエーションによって、キッチンだけでなく、部屋のいたるところに置かれて大活躍しています。
今回、おはぎを作るにあたっては、キッチン横の小さな作業テーブルに置きました。ご存知の通り、土鍋圧力IHジャー炊飯器は、どの角度から見ても美しいデザインが魅力。ですから、ご覧のように、どこに置いてもインテリアに馴染むのです。
普段の定位置は、ダイニングテーブルの脇のスツールに、あたかも家族のひとりのように鎮座しています。
いつも見えるところに置いておきたいと思える美しくて親しみのあるデザイン。わが家が土鍋圧力IHジャー炊飯器を選んだ理由のひとつなのです。
土鍋圧力IHジャー炊飯器は、いつもおいしくて、いつもそこに居て、いつも頼りになる。食の豊かさを教えてくれる、そんなわが家の大切な存在でもあるのです。
文・写真・動画:松浦弥太郎