お米の豆知識
私たち日本人の主食であるお米。いつも当たり前のように炊飯しているかと思いますが、お米を量る「合(ごう)」という単位についてじっくり考えたことのある方は少ないかもしれません。今回はそんなお米の単位に関する、知っておいて損はない豆知識ならぬ”米知識”を解説していきます!
米1合(炊飯前)の重さ
お米を量る単位として「合」が一般的となったのは、石高制が確立された江戸時代。その後、「g(グラム)」や「cc(シーシー)」など、1959(昭和34)年の計量法改正により公取引においては国際単位の使用が義務づけられたものの、生活の中に根付いた「合」は、私たちの暮らしにおいて今なお身近な単位です。では、1合はgやccに当てはめると、実際にはどのくらいの分量なのでしょうか?
米1合の重さ
炊飯前のお米1合分をgに換算すると、その重さは約150gとなります。しかし、実は条件などによっては多少の誤差が生じることはあまり知られていません。たとえば、お米の品種や状態(玄米や胚芽米、新米や古米など)、さらには水分の含有量によっても多少の差異があります。
米1合は何ml(cc)
体積を表すml(またはcc)に換算すると、1合は約180ml(cc)。日本には180mlと200mlの計量カップが存在しますが、180mlカップは、まさにお米1合の計量のために生み出された調理器具なのです。
米1合は何人分に相当するか
中サイズのご飯茶碗に、炊きあがったお米を普通盛りでよそえば約0.4合分。つまり、お米1合で2人分のご飯を炊くことができます。しかし、育ち盛りの子どもやたくさん食べる人ならば1人で1合分をペロリ、逆に少食の人なら0.4合でも多いと感じるということもあるでしょう。
米1合の測り方
180mlカップはお米専用の計量器具で、大抵の場合は炊飯器に付属されています。カップいっぱいにお米をすくい上げ、上部の盛り上がっている部分を表面に沿って箸などで水平にならすと「すりきり1杯」のできあがり。これが、正式なお米1合分です。
米1合の重さは変動する(炊飯前後)
カップで計量したお米1合は約150gと前述しましたが、炊く前と炊きあがり後では、見た目でも一粒一粒の変化が分かるとおり、その重さも変動します。炊飯の過程に沿って見ていきましょう。
浸水後(1時間)の重さ
お米を水に浸すことで、お米1合の重さは約200gとなります。水を吸った結果、浸水前の約1.33倍の重さになるわけです。ただしこれはお米の品種や状態、環境によっても多少変化します。
炊きあがりの重さ
お米1合は、炊き上がりの時点で300~350gとなります。炊飯前に比べ実に約2~2.3倍もの数値です。なお、お米の品種や状態(古米 or 新米)、さらには水の硬度や気温などによっても、わずかではありますが差異が生じます。
米1合で気になること(豆知識)
炊く時に必要な水の量(洗米/無洗米/新米/玄米)
研ぎが終わり水分をしっかり切った状態の「洗米」ならば、1合に対して1.1~1.2倍の約200ml程度、研ぐ手間のない「無洗米」ならやや多めに1.3~1.4倍の約230ml程度が適切です。さらに、健康志向ブームで消費量が増えている「玄米」は1.5~2倍の約270~300ml程度が適切となります。
(いずれも炊飯器に専用の目盛りやメニューがある場合はそちらを優先してください)
「新米を炊く時には水を少なめに」と考える人はきっと多いはず。しかし、現在お米の流通時には、新米も古米も保存に適した同一の水分量で管理されており、あまり神経質になる必要はないのだとか。
ただ、わずかではあるものの新米のほうが水分を多く含んでいるため、まずはいつも通り炊いてみて見極めるのが一番。それで柔らかいようであれば、10mlほど減らしてみるなど、自身で加減してみましょう。
米1合のカロリー/糖質/栄養
米1合分のカロリーは約537kcal、成分は炭水化物約116.4g、たんぱく質約9g、脂質約1gとなっています。(ちなみに、お茶碗1杯分のご飯のカロリーは約215kcal、成分は炭水化物約56g、たんぱく質約4g、脂質約1gです)
日本人にとってお米はエネルギーの源といえるもの。健康管理やダイエットにおいて、そのカロリーや糖質をきちんと把握しておくことも大切です。
※11/28更新:米一合とお茶碗1杯が混在していたため整理して修正いたしました。
計量カップがない時の対処法
まず代用品としてオススメなのは「紙コップ」。普通サイズは200mlに設定されているため、目測でおよその計量が可能です。手持ちのマグカップでも容量が分かっていれば、目測で代用が可能。なお、1合という量にこだわらないのであれば、紙コップでもマグカップでも、すりきり1杯のお米に対して、カップ1杯と1~2割分の水を注げばOKです。
お米1合は何粒くらい?
「ムシヤフナ=64827」という言葉を聞いたことはありますか?
これは、江戸時代より伝わるとされる、一升(10合)分の米粒の数を示す語呂合わせです。つまり1合の米粒はその1/10の、約6500粒ということになります。
米1kg・一升・一袋・一俵・一石は何合分?
1合が約150gですから、「1kg=1000g」で「1000÷150=6.66…」、すなわち「1kg=約6.7合」となります。また、よく耳にする「米一俵」は約60kgで、合に換算するなら「60000÷150=約400合」となります。ちなみに「一升=10合」「一袋(お米屋さんなどに積んである大きな紙袋)=約30kg=約200合」「一石(江戸時代に使われた単位)=1000合」です。
※11/28更新:桁に誤りがありましたので修正いたしました。
レトルト製品のご飯(200g)は何合分?
非常食としても重宝されるレトルト製品のご飯は、200gサイズが定番品として人気です。すでに炊き上がったお米が真空パックされていますので、1合約300gとすると、約0.6合分ということになります。
一合枡はきちっと1合測定できる?
一合枡ならば当然その量は1合分になります。ただし、四隅が直角なのでお米をすくい上げた際に隙間ができやすいため、枡全体をゆするなどして、お米同士、そしてお米と枡との隙間を極力解消しつつ量るようにしましょう。
お酒(日本酒)の1合とは単位が違う?
お酒1合分は180ml、つまり「180cc」「180g」となります。お米が150gですから、一見別々の単位のようにも思えますが、まったく同じ容積の「合」。カップにすくったお米には隙間がありますよね。それが約30gというわけです。
お米1合をおいしく炊くには
少量のお米を炊くのは難しいとされていますが、ポイントを押さえればお米1合でもおいしく炊飯が可能です。ここでは、鍋と炊飯器でのお米の炊き方について見ていきましょう。
鍋でおいしく炊く
鍋でお米1合を炊く場合は、直径15cmほどの厚手で小さめの鍋を用意しましょう。鍋にお米と水200mlを入れてふたをし中火にかけます。フツフツと音がして縁が泡立ち、沸騰してきたら火を弱めます。そのまま5分ほど弱火で加熱して火を止めましょう。その後10分ほど蒸らしたら、しゃもじで上下を返すようにかき混ぜ(天地返し)余分な水分を飛ばします。そうすることで、ごはんがふっくらと炊きあがります。
失敗せずにごはんをおいしく炊くポイントは、沸騰したかを確認するために途中で鍋のふたを開けないこと。透明のふたを使うと、ふたを開けずに中身を確認することができるのでおすすめです。ガラスでないふたを使用して中身を確認した場合は、開けたときに鍋内の温度が下がるため、再度ふたをして30秒程追加で加熱すると良いでしょう。土鍋を使用する場合は、お米の量に対して大きめサイズのものを選び、沸騰してふたから吹きこぼれそうになったタイミングで火を弱めます。
炊飯器は1合炊きのニーズが増えている!
かつてはたくさんの量を一度に作れる調理器具が人気を集めていましたが、現在は単身世帯や高齢者世帯の増加などに伴い、炊飯器市場にも「少量をおいしく作りたい」というニーズが増えています。実際に、単身世帯・2人暮らし世帯は全体の約60%にも上るとされています。
また、タイガーの5.5合炊きプレミアムモデルユーザーのうち、約21%は1合のお米しか炊いていないことがわかっています。また、3.5合炊きプレミアムモデルユーザーに至っては、約40%が日々1合炊きしているという調査結果もあります。
炊飯器の主流サイズは5合炊きでしたが、昨今ではこうしたニーズの変化を受けて、少量炊きモデルも増えています。 さらに、5合炊きなどの炊飯器に搭載されている少量炊きコースも注目したい機能です。コンパクトな炊飯器から、少量炊飯が可能な高性能モデルまで、炊飯器の選択肢は日々広がっています。
1合炊きにおすすめの炊飯器とは?
1合など少ない量のお米を炊く場合、容量の大きい炊飯器は適していないといわれています。その理由は、釜の内部に空間ができてしまうこと。余分な空間があることでお米への熱伝導率が悪くなり、炊きムラができやすくなるのです。お米に均等に熱が加わらないと、食感が悪く、甘みが足りないごはんに仕あがってしまいます。
とはいえ、容量の小さい炊飯器を選ぶと、普段は1合で十分という人も来客時などに困ることもあります。また普段からまとめ炊きをする場合も、容量の大きいものを選ぶととても便利です。5合炊きなど容量の大きい炊飯器の中には、工夫を凝らし少ないお米をおいしく炊ける機種もあるので、そのような少量炊きにも対応した炊飯器がおすすめです。
少量炊きの炊飯器の選び方
少量でもおいしくごはんを炊くためには、どのようなポイントに注目すれば良いのでしょうか。ここでは、少量炊き炊飯器の選び方のポイントについて解説します。
炊飯容量
炊飯器を選ぶ際にまず検討するのが炊飯容量でしょう。単身世帯などで日頃から1?2合程度のお米を炊くという人でも、3合炊き程度の少し大きめサイズを選ぶのがおすすめです。大きめサイズであれば、まとめ炊きをして冷凍したり、来客時にも対応できたりと便利です。お米0.5合が1膳分と考え、3食分をまとめて炊飯したとしても十分なサイズの炊飯器を選ぶと良いでしょう。
また、少量のお米を炊くのに大きい容量の炊飯器が適していないのと同様に、炊飯器の容量いっぱいのお米を炊くのもおすすめできません。炊飯器に対して、お米の量がやや少ないくらいで炊くほうがおいしく仕あがります。
炊飯方式
炊飯器の炊飯方式も購入時の重要なポイントです。炊飯方式には主に、「マイコン式」「IH式」「圧力IH式」があり、それぞれに異なる特徴があります。マイコン式とは、炊飯釜の底に搭載されたヒーターによって加熱する仕組みです。1合炊きなどの少量炊飯に適しており、お米の量が多くなると炊きムラができやすいというデメリットもあります。価格がリーズナブルなので、学生などの単身世帯にも人気です。
IH式は、IHコイルを使い釜そのものに熱を伝えて炊飯する仕組みです。マイコン式に比べて火力が強く、短時間で炊飯できるのもメリット。お米全体にムラなく熱が伝わるので、お米の芯までふっくらと炊きあがるのが特徴です。価格はマイコン式よりも高くなります。
圧力IH式は、IH式の上位機種に採用されている方式で、釜内部に圧力をかけて炊飯する仕組みです。炊き上げ時に適度な圧力をかけることによってムラなく炊飯でき、 お米の旨みや甘みを引き出せるとして注目を集めています。IH式よりもさらに価格は高くなりますが、もちもちとした柔らかい食感のごはんを味わえます。
保温機能の有無
日頃から炊飯器の保温機能を活用していますか? 炊いたごはんを、あたたかいまま数時間置いておける保温機能はとても便利です。夜炊いたごはんを保温しておき、翌朝食べるという人には保温機能が欠かせません。一般的な炊飯器の場合、長時間保温することでごはんが黄ばみやすく、風味も落ちてしまいます。保温機能を重視する人は、長時間保温してもごはんのおいしさが保てる、優れた保温性能が搭載された炊飯器を選ぶことをおすすめします。
便利な保温機能ですが、少量を炊いてすぐに食べ切ることを想定した1~2.5合炊き程度の小型炊飯器には、そもそも保温機能がついていないものが多くあります。また、少量だけ炊いて炊きたてを食べたい人や、残ったごはんを小分けにして冷凍することが多い人は、それほど保温機能を重視する必要がないでしょう。
その他の機能
炊飯方式や保温機能の有無以外にも、着目したい機能はあります。たとえば、単身世帯や忙しい人に人気なのが「調理モード」。ごはんだけでなく、おかずも調理できる機能です。二段に分けてごはんとおかずを同時に炊飯・調理できるモデルでは、調理時間の短縮もできます。
日頃から玄米・雑穀米を食べる人には「炊きわけ機能」がおすすめです。お米の種類によって炊き方を変え、好みの食感を指定できる炊飯器なら、よりおいしく味わうことができるでしょう。他にも、節電になる「エコ炊飯」や、小さな子どもがいる家庭でも安心の「蒸気が出ない・少ない機能」が搭載された炊飯器もあります。
また、タイガーの圧力IHジャー炊飯器「JPI-G100/180」では「少量旨火炊き」機能が搭載されており、5.5合炊きサイズは0.5合から、1升炊きサイズは2合からお米を炊くことができます。少量を炊くのに合わせ火のコントロールがされるので、ごはんのかみごたえは約4%アップ※し、甘みとハリのある味わいになります。
※当社従来品機種JPC-G100白米1合炊きと比較
タイガーの「一合料亭炊き」とは
タイガーの5.5合炊き炊飯器「JPL-G100」は、「一合料亭炊き」と呼ばれる機能を搭載しています。一般的に、5合炊きなどの大きい容量の炊飯器でお米1合だけを炊くと、釜内部にできた空間によって熱伝導率が悪くなり、お米の弾力や甘みが弱くなってしまいます。そこで「JPL-G100」では専用の中ぶたを使用し、1合のお米を炊くのに適した空間をつくることにより、釜内部の熱伝導率を上げることに成功しました。
内なべ・中ぶたは土鍋素材のため蓄熱性が高く、中ぶたを使用することで上からも遠赤外線効果を得られるのがポイント。お米1合でもふっくらとおいしく炊きあげられるのです。また、中ぶたによって吹きこぼれも抑えることができ、甘みの感じられるごはんに仕あげてくれます。釜底外側の最高温度は約280度にも達し、高火力で炊くことでお米の旨みを閉じ込めることも可能です。
さらに「一合料亭炊き」で炊飯すると、従来の機種に比べてごはんの弾力が約10%、粘りは約18%もアップするという実験結果も出ています。ごはんはもちもちとしながらも、適度な噛み応えやハリのある食感も特徴です。
タイガーでおすすめの少量炊き炊飯器
少量炊き炊飯器は需要が増えていることもあり、他にも充実した機能が搭載されています。ここでは、タイガーでおすすめの少量炊き炊飯器を3つ紹介します。
土鍋圧力IHジャー炊飯器〈炊きたて〉ご泡火炊き JPL-G100
料亭のようなおいしいごはんが楽しめる「一合料亭炊き」機能搭載モデルです。5.5合炊きの炊飯器ですが、専用の土鍋と中ぶたを使用することで、お米0.5合からの少量炊きに適した内釜空間で炊飯できるのが特徴です。土鍋ならではの細かい泡がお米を包み込むことで、おいしいごはんが炊きあがります。
また、50種類にもわたるお米の銘柄別データがインプットされ、銘柄の特徴に合わせた炊きわけも可能です。ごはんのおいしさをとことん追求したいこだわり派にぴったりの1台です。
IHジャー炊飯器〈炊きたて〉JPF-A550
3合炊きコンパクトサイズで、0.5合から炊飯できるため単身世帯にも便利です。炊飯釜には、土鍋コーティングや遠赤土鍋コーティングが施された「5層遠赤特厚釜」が使用され、高加熱の「剛火IH」で炊飯することで少量でもふっくらとおいしいごはんに炊きあがります。
また、こちらの炊飯器では、15分調理でさまざまなおかずもつくれるだけでなく甘酒メニューも搭載しているため、調理家電を増やしたくないという人にもおすすめです。玄米や雑穀米・おかゆなどの炊きわけ、早炊きメニューやケーキメニューの搭載など、便利な機能が満載の炊飯器です。
マイコンジャー炊飯器〈炊きたて〉JAJ-G550
こちらも0.5合から炊飯可能な3合炊きの炊飯器です。「パネルカバー」がついたシンプルですっきりとしたデザインに、コンパクトなサイズが単身世帯におすすめ。魅力は、なんといってもごはんとおかずを同時に調理できる点でしょう。炊飯器に内なべとクッキングプレートをセットすれば、炊飯中の蒸気でクッキングプレートの中の食材を加熱することができます。1台で調理できるため、時短と節電の両方が実現します。
炊飯器には40種類以上ものメニューが載ったクックブックがついており、おかずからスイーツまでさまざまな料理を楽しむことができます。マイコン式で価格もリーズナブルとあり、価格重視の人にもおすすめです。
「合」について理解し美味しいお米を
普段何気なく使っている「合」ですが、実は長い間、日本人とともに歩んできた歴史ある単位。そんな歴史に思いを馳せつつ、今回ご紹介した計量方法などを参考にして、美味しいお米生活を楽しんでみてくださいね。