炊飯器の選び方
1. 値段の差は何の違い?「IH」と「マイコン」
日本の食卓に欠かせない「ごはん」の必需品が「炊飯器」。
毎日のことだから、美味しいごはんが食べたいのが本心だけど、
いざ家電量販店へ行っても、何をポイントに選べばいいか分からない…。
ここでは、家電量販店に訪れたある一組の来店者と一緒に、賢い炊飯器選びのポイントをみてみましょう。
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トラ美会社員。健康への意識が高く、
最近は麦飯や雑穀米に興味を
持っている。 -
トラ太トラ美の夫(の予定)。会社員。
炊きたての白ごはんに目がない。
家電には少しばかりの知識あり。
結婚式を間近に控えたトラ太とトラ美。
一足先に引っ越しを終えた週末、まだ新居に揃っていない電化製品を買いに、家電量販店にやって来ました。
家電量販店にて
テレビOK、洗濯機OK、掃除機OK、冷蔵庫OK、オーブンレンジOK、あとは…
炊飯器!「同じ釡の飯を食う」ってやつだね。
本当に結婚するんだなぁ。
そうね?(照)。
炊飯器っていうと3万円くらい?
いやいや、ちょっと待った。最近は炊飯器の進化がすごいんだよ。ごはんは毎日食べるし、一度買ったら長く使うものだからね。少し高くてもいいものが欲しいな。
炊飯器売り場に到着
わ~、炊飯器ってこんなに種類があるんだ!
高いものは10万円超え!?
ここ数年、炊飯器にも高級化の波がきてるからね。
最近は5万円以上のプレミアムモデルがかなり売れてるらしいよ。
土鍋泡火炊き
JPL-G100
土鍋泡火炊き
JPH-J100
そうなんだ、見た目もシュッとしててオシャレだね。
ところで、なんでこんなに値段が違うの?
色々な機能が付いてるから?
高級炊飯器はやっぱりごはんの美味しさが違うよ。
デザインももちろんだけど、美味しさを決めるのは、IH・内釡・圧力あたりかな。
ホント詳しいよね~。さすが白ごはん大好き人間!
あ、店員さんが来た!
いらっしゃいませ。何かお探しですか?
1.値段の差は何の違い?
「IH」と「マイコン」
来月結婚予定で、新居で使う炊飯器を探しに来たんですけど、せっかくなら毎日美味しいごはんが食べたいと思って。
一番高い炊飯器について説明してもらえますか?
それはおめでとうございます!
ではご説明させていただきますね。
そもそもごはんの美味しさは、何で決まるかご存じですか?
愛情!!
もちろんそれも大事ですが(笑)。
お米を炊く時に、でんぷんが変化する過程を「α化」や「糊化(こか)」と呼んでいまして、この変化がごはんの美味しさのカギとなる、粘りや弾性、甘みにつながるんです。
確かに、もっちり食感で噛めば噛むほど甘さが広がるごはんって理想ですよね~。
はい。そして、炊飯器の内釡の加熱が大きいほど、この「α化」、「糊化」が促進されるんです。
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βでんぷん硬い
消化しにくい -
炊飯α化または糊化
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αでんぷんやわらかい
消化吸収しやすい
「IH方式」と呼ばれる加熱方式ですと、釡全体が発熱して効率よく加熱できるため、お米の一粒ひと粒にしっかりと熱が伝わり、ムラなく均一にごはんを炊くことができるんです。
「マイコン式」だとそれができないんですね?
はい、 低価格商品の多くは「マイコン式」と呼ばれる加熱方式を採用しているのですが、この方式ですと
釡底からの加熱のみになるため、底部と上部で温度のムラが生じやすいんです。
値段が安い分、ちょっと妥協が必要なのか~。「美味しいごはん」を求めるなら、「IH」はマストってことですね。
はい、「マイコン式」は初めて一人暮らしをする大学生や新入社員の方、あまり家でごはんを召し上がらない単身赴任の方などにはおすすめですが、
頻繁に料理をされる方なら、
絶対に「IH方式」ですね。
IH式にもいくつか種類があるんですか?
一般的な「IH式」の炊飯器に加えて、「圧力IH式」と「スチームIH式」があるんです。 「圧力IH式」は圧力をかけて高火力でお米を炊きあげられるタイプですから、お米のうまみや甘みもしっかり引き出せますよ。
一方、「スチームIH式」は圧力の代わりにスチームを使って加熱するタイプで、特にお米の銘柄にこだわる方に向いています。
IH式は美味しいごはんが炊けそう。それでも、価格面でマイコン式を選びたい時はどのようなことに気を付ければいいですか?
価格面から「マイコン式」を選ばれるなら、なるべく釜が厚い製品がおすすめ。一般的な「マイコン式」は釜が薄いものが多いので、保温の際に乾燥が進みやすく、ごはんもパサパサになってしまいます。
IH式やマイコン式以外に炊飯器の種類は無いんですか?
実は、炊飯器の種類としては「IH式」や「マイコン式」以外に、「ガス式」もあるんです。「ガス式」なら強力な火で一気にお米を炊きあげられるので、まるでかまどで炊いたような美味しいごはんに仕上がりますよ。
とは言っても、実際に「ガス式」を選ばれる方はあまり多くはありません。炊飯器をガス栓とつなぐ必要があるので、使うのに手間がかかるからです。
注目したい!炊飯器の便利機能
他にも炊飯器を選ぶときに見ておくべき機能はあります?
炊飯器は毎日使うものですから、便利機能にもしっかり注目したいところです。
たとえば、最近では「エコ炊き機能」がついている炊飯器も多くなっています。エコ炊きでは、ごはんが炊けた後の保温の温度が通常よりも低めです。だから、ボタンひとつで省エネができ、電気代も節約できるんです。
ボタン1つで電気代が節約できるのは便利な機能ですね!
また、指で軽く触れるだけで操作できる「タッチパネル」が搭載された炊飯器も人気ですね。まるでスマートフォンのような感覚で楽に操作できます。
タイガーの炊飯器の中には、人が近づくと自動でタッチパネルが表示される「モーションセンサー」を搭載しているものもあります。人が発している赤外線の温度変化に反応するので、使いたいときにすぐに起動してくれますよ。
すごい!最近の炊飯器は進化してるんですね~。使ってみたいなぁ(笑)。
そして、忘れてはいけないのが「保温機能」です。保温機能はたいていの炊飯器についていますが、長時間保温していてごはんが硬くなった経験はございませんか?
ただ温めるだけですと、ごはんの美味しさはどんどん逃げていってしまうんです。炊きたてのごはんの美味しさを保つには、ごはんの水分を保てるタイプがおすすめです。
特にご家族がそれぞれ別の時間にお食事をされることが多いなら、炊飯器でごはんを美味しく保温し続けられるかどうかは重要なポイントですね。
トラ美のノート
美味しいご飯を求めるなら
IHはマスト!
IH方式の場合、釡全体が発熱して効率よく加熱できるため、
お米の一粒ひと粒にしっかりと熱が伝わり、
ムラなく均一にごはんを炊くことができます。
土鍋圧力IHジャー炊飯器
2021年最新モデルはこれ!
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美味しいごはんを炊くなら、IH方式が良いことを知ったトラ太とトラ美。
でも、もっと美味しさを追求するなら、
実は内釡にもこだわった方がいいんです。
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