土鍋を知る
本物の文化を伝えたい
ごはんは命そのものです。日本人の心の中で、お米は特別な存在であり続けてきた。お米はいつ精米したかまで、きちんと記されているでしょう。
安心・安全なごはんをいただく。こうした食文化を守り、継承していかなければなりません。そのうえで大切にしているのが、土で炊くということなんですね。
対流が旨みを引き出す
ごはんは生きています。「芽」から殻をとって「実」になり、水に浸けると「米」になる。さらに熱を加えることで、旨みが出て「ごはん」になるのです。なぜ土の釜で炊くのか。
有機質の土でできた釜は通気性があり、空気が入って対流しよる。この対流が、お米がごはんに変わる瞬間を生かすのです。
“むっくら”炊きあがる
炎が土の釜の底から側面にくるでしょう。これを余熱として残しよるんです。それが上部へと伝わっていく。「赤子泣いてもふた取るな」というのは、このときのことです。
この余熱によって吸水し、ごはんが”むっくら”炊きあがるんですわ。おもちがふっと膨れるような、あのやわらかい感じですね。