100周年を迎えるタイガー魔法瓶の新発明
電気やガスを使わない
新聞紙一部でおいしいごはんが炊ける
「魔法のかまどごはん」
なぜ今の時代に、タイガーがこのような物を作ったのか。
それは、エネルギー不足や環境負荷への一つのアンサー。
また新聞紙一部で炊けるからキャンプで便利に使え、
かつ自然災害の多い日本においては防災グッズにもなる。
つまり「いつものごはんが、もしものごはんになる」という、
備えあれば憂いなしを体現した商品でもあるのです。
しかも本物の「かまど」だから、
ごはんの味と香りが引き立ち、おいしい。
炊く楽しさ、味わうおいしさ、持っておく安心。
三拍子揃った<魔法のかまどごはん>です。
【晋遊舎「MONOQLO」2023年12月にて炊飯釜を紹介】
KMD-A100
「魔法のかまどごはん」
使いやすい。役に立つ。
4つの特長
燃料は新聞紙
電気やガスを使わないのが、最大の特長です。
新聞紙1部(3合なら36ページ)さえあればおいしい「炊きたて」ごはんが炊けます。
白米は1合から5合、炊込みなら3合まで。
炊き方はとってもかんたん
二つの穴に交互に新聞紙を入れ、火をつける。
その繰り返しによって、“はじめチョロチョロ、
なかパッパ”のおいしい火かげんをつくります。慣れればかんたんに炊くことができます。
片付けらくらく
すすがついたなべは、水で濡らしたスポンジで拭くだけで汚れが落とせます。洗剤いらずで環境にもやさしくお手入れが可能です。新聞紙の燃えかすは少量になるため、処理も簡単にできます。
- ※なべ内側はスポンジのやわらかい面で、ふた・なべの外側はスポンジの研磨粒子部分でこすってください。
収納時はコンパクト
収納時は高さ約18cmに収まり、コンパクトに収納することができます。防災備蓄品の近くに置いておくのもおすすめです。
「魔法のかまどごはん」の
使い方
用意するもの
・お米、水
・新聞紙
・着火ライター
・軍手
お米を洗う
お米を洗い、お米の合数ぶんの水をなべに入れます。そのまま夏場は約30分以上、冬場は約40分以上、水に浸します。
新聞紙を準備
この時間を利用して、新聞紙をねじれた棒状にします。
炊き始め(はじめチョロチョロ)
最初は1分半間隔で新聞紙を左右交互に投入して着火ライターで火をつけます。
炊きあげ(なかパッパ)
1分間隔で新聞紙を左右交互に投入して火力をアップ。新聞紙の最後の1枚を残して炊きあげます。
むらし・炊きあがり
炊きあげから10分後に最後の新聞紙を投入。余分な水分を飛ばします。さらに5分むらして、炊きあがりです。
- ※使用中はかまどを持ち運んだり、移動しないでください。
- ※火気の使用や取扱いが禁止されている場所
- ※屋内・テント内・車内など換気の悪い場所では使用しないでください。
- ※取扱説明書「安全上のご注意」をお読みになり正しくお使いください。
「魔法のかまどごはん」の
おいしさの秘密
かまどの対流と炎で甘みとハリのあるごはんに
本物のかまどと同じ構造にすることで、ごはんの甘みとハリを実現。
なべ底から大火力を加え上下の温度差を作り出すことで、おいしさを追求しました。
電気がなくても炊きたてごはん
「魔法のかまどごはん」
開発エピソード
村田勝則
「魔法のかまどごはん」プロジェクトリーダー
シャイニング制度を利用し、魔法のかまどごはんを企画、現在は商品企画第2チームでプロジェクトを担う。
私たちは、炊飯器に<炊きたて>というネーミングをつけていますが、「いつでも温かいごはんを食べてほしい」という思いが常にあります。それはアウトドアではもちろんのことですが、例えばもしもの時、電気やガスが使えない状態であっても、温かくておいしいごはんを食べてもらいたい、と思うんです。
関東大震災から100年の節目に当たるこの年に、この先の100年を見据えた温もりあるアイデアで、食卓に新たな常識を作り続けるという思いから、「魔法のかまどごはん」の開発を始めました。
商品の特長、開発に込めたこだわりとは?
この商品の特長は「新聞紙一部でごはんが炊ける」ということです。左右2ケ所の投入口に新聞紙を順番に入れ、火をつける事で、いつでもおいしいごはんが炊けます。電気やガスは必要ありません。
アウトドアなら多少の工夫、経験でそれなりのごはんが炊けますが、タイガー魔法瓶が提供する製品なので「おいしさ」には特にこだわり、防災でも役に立つものとして開発しました。
開発に至った経緯は?
当時、私が在籍していたカスタマーサービスで、保有期間を過ぎた部品の廃棄が増えていましたので、その中で、炊飯器の内なべをどうにか廃棄しないで活用できないかと考えました。
私が大学生の頃、「少年自然の家」でアルバイトをし、新聞紙を燃やしてごはんを炊いたことを思い出したんです。この廃棄予定の内なべを使って新聞紙でごはんが炊けないか、炊飯器の内なべは機種に関係なく白米炊飯用の水目盛りは付いているので、難しい水加減も炊飯器と同じ要領で簡単に計ることができるのではないかと、そんなアイデアが浮かびました。そんな時、我が社には「シャイニング制度」があることを思い出しました。
「シャイニング制度」とは、企業理念に沿って、社内での思い切ったチャレンジ、今までに無い新しい取組みを促し、また、そうした活動を通じて社員の自主性を育み、イノベーションが生まれやすい組織風土を醸成することを目指した社内公募制度です。過去に何度か応募していましたが、今回はまさにサスティナブル、社会貢献できるテーマであるが故に、応募した結果、まさかの一次審査通過となり、開発を試みることを決めました。
開発中のエピソード、周りの反応は?
まず手始めに、自宅の庭でBBQコンロの上に炊飯器の内なべを載せてごはんを炊いてみました。新聞紙では火力に不安があったので、ふたは金属製の内ぶたを二重にして断熱性を高めることを工夫しました。その後、新聞紙の燃焼エネルギーをもっと効率よく内なべに伝えるため、「かまど」をイメージし、市販品から加工して使えそうなものを探しました。
例えば、植木鉢を使い、その中に内なべがはまるように丸い形をした金具を求めて、休日にホームセンターや100円ショップを回り、何パターンも試作して実験を繰り返しました。結果、金属製の洗濯カゴが一番良いサイズだったのですが、だいぶ買い占めてしまい、お店の方はびっくりされたと思います。また、私ひとりで全て試作を繰り返していたので、家族からは「何をしているのか」って思われていたと思います。
開発中は、新聞紙が燃え残って火力が不足することもありましたが、左右の2ケ所に投入口を設けて新聞紙を右側、左側と順番に入れる事で、新聞紙が重ならず完全燃焼することを発見できました。1つずつの新聞紙の燃焼が安定すると、投入タイミングで火力がプログラムされた炊飯器のように最適化できました。
昔の方は良く言ったもので、まさに「はじめチョロチョロなかぱっぱ」です。
娘が活動しているガールスカウトから、防災活動のイベントとコラボしてみては?とご提案をいただき、たくさんのご家族の前で実演しました。「新聞紙で本当にごはんが炊けるの?」という空気感でしたが、炊飯後にふたを開けたときの歓声は今でも忘れられません。ごはんを炊いて、多くの人から歓声があがることってあまりないですよね。
最後に、この商品に込めた思いを、改めてお願いします。
私は今回の取組みで、防災について調査を行い多くのことを学びました。その中で、被災を経験された方にとっては「食事が、唯一の楽しみだった」というお声があったんです。
「母さんが淹れてくれた温かいお茶を飲みたい」という思いから始まった会社が、関東大震災でも1本も割れなかった魔法瓶を作り、それから100年の時を経て「いつでも温かく、おいしいごはん」を届ける事は使命のように感じています。アウトドアでは楽しく、もしもの時の備えとしては、新聞紙を使って安心安全においしいごはんを提供できるこの「魔法のかまどごはん」を通じて、多くの方々に私たちの思いを知ってもらえたらと思います。