「五感で味わえる、
それが土鍋ごはんの魅力です」
那古野 みつ林(愛知県)
名古屋市西区、那古野で2014年から営業している日本料理店「那古野 みつ林」。京都で修行を積み、地元名古屋に戻ってお店を開いた店主の三ッ林さんに、お話をお聞きしました。
炊き込みごはんには月ごとに異なる旬の素材を使用
──どのような土鍋ごはんをいただけるのでしょうか。
店主:8月は「トウモロコシと枝豆の御飯」です。トウモロコシの甘みと枝豆の塩気、そして土鍋で炊いたごはんのうま味をお楽しみください。当店では、炊き込みごはんに使う旬の食材を、コース内容とともに月ごとに替えています。
「お米のうま味がしっかり出るから、この店ではずっと土鍋です」
──なぜ、土鍋で炊いたごはんを出されているのですか。
店主:私自身、土鍋で炊いたごはんが一番おいしいと思っているからです。やはりツヤ感や香りが違いますし、お米のうま味もしっかり出ます。この店ではオープンした時から、ずっとごはんは土鍋で炊いています。まかないで食べるごはんも土鍋で炊いていますから。
特注の土鍋で炊くのは、店主が認める山形米
──使われている土鍋は、ちょっと変わった形のようですが。
店主:すべて美濃焼きの「温たなべ(ぬくたなべ)」の特注品です。お店のオープン前に偶然知り、ひと目惚れしました。すぐ美濃の窯へ行き、理想の形や色をお伝えして特注品をつくっていただきました。その土鍋で炊くお米は、粒が大きめで粘りが強く、私が一番おいしいと思っている山形米です。自分がおいしいと感じなければ、お客様には出せません。
「お客様のワクワクした表情を見ると、うれしくなります」
──三ッ林さんにとって土鍋はどんな存在ですか。
店主:カウンター席のお客様が、土鍋から出る湯気などを見てワクワクされていると、私もうれしくなるんです。なぜなら、料理は五感で味わっていただきたいと常に思っているからです。カウンター越しに伝わる音や様子、フタを開けた時の見ばえに香り、そして肝心のおいしさ、そのすべてを楽しんでいただける土鍋は私の料理に欠かせません。
那古野 みつ林
名古屋市西区那古野1-22-9
電話 052-533-5530
営業時間 (昼)12:00~13:30(L.O.) (夜)17:30~20:30(L.O.)
定休日 日曜・第3月曜・毎月末夜の営業