タイガー
魔法瓶の
3つの

Story

宇宙への挑戦を続ける
「真空断熱技術」。
その技術は、新しい世界へと広がる

Story 02

Outline

2018年。タイガー魔法瓶は、100年の歴史で培った保冷技術を活かし、国際宇宙ステーション(ISS)から、宇宙実験サンプルを保冷状態で格納するための「真空二重断熱容器」を開発。地球に帰還するまでの断熱性能、海上着水時の40Gにも達する衝撃に耐える強度など、過酷なまでの技術要件をクリアしてJAXA初のミッション成功に貢献した。そして2021年、宇宙への挑戦は第二フェーズへ。「真空二重断熱容器」の保冷機能や耐久性などをさらに進化させ、新たなミッションに挑戦した。

Member

  • Yuji.Nさん

    2013年入社。
    商品開発グループ開発第3チーム

  • Eri.Nさん

    2016年入社。
    商品開発グループ開発第3チーム

  • Tatsuya.Kさん

    2019年入社。
    商品開発グループ開発第3チーム

タイガー魔法瓶に
課せられた
3つのハードル

2018年11月11日。国際宇宙ステーション(ISS)から実験サンプルを地球へと回収する技術実証が成功を収める。その成功にひと安心したのも束の間、新たな依頼がタイガー魔法瓶のもとに届いた。

地球からISSへの実験サンプルの輸送、および地上で回収するミッションのため、新たな「真空二重断熱容器」を開発するというもの。2018年の第一フェーズ以上に、「長期間の温度維持」「サイズダウン」「再利用可能」という3つの厳しい性能要求をクリアしなければならないものだった。

Yuji.Nさん

2018年の第一フェーズの際に、真空二重断熱容器の開発に奮闘する先輩社員の姿を見ていました。でも、実際に第二フェーズを自分が担当することになった時、性能要求はかなり高くなっていたのですが、単純にワクワクするというか“楽しそうだな”というのが正直な感想でした。

第一フェーズは実証実験、第二フェーズはある意味、今後の運用を目指す段階。要素開発に関しては、JAXAと宇宙開発に携わってきた株式会社テクノソルバとの共同開発だったので、情報をつねに共有しながら一緒に作り上げていきましょうというスタンスでした。

計り知ることが
難しい、
再利用を
可能にする耐久性

地上からISSを往復する間、12日間以上20℃±2℃を保つために保冷性能をアップさせ、真空二重断熱容器を大幅にサイズダウンしなければならない。JAXAや株式会社テクノソルバと共に構造についての議論や様々な実験を重ねていく中で、最も苦労したのが「再利用可能」にする設計だったという。




Yuji.Nさん

従来の真空断熱ボトルの耐久性は、お客さまが使用する状態で評価できるものなので理解できるのですが、宇宙へ飛び立って帰ってくる状況で“再利用できる耐久性”というのを考えるのに苦労しました。まず、その環境下を理解することが難しいですから。

それでも、まずは試作品を作ってみて、JAXAさんとしっかりコミュニケーションを取りながら試験を繰り返したことで、耐久性能として合格がもらえたので安心しました。

宇宙への挑戦で培った
技術を
未来に継承していく

日本時間の2021年7月10日。地球からISSへの実験サンプルの輸送、および地上で回収するミッションが無事に成功。タイガー魔法瓶の真空断熱技術を使った宇宙への挑戦は、今後も続いていく予定だ。

Yuji.Nさん

第一フェーズから私が引き継いだように、今後は若い社員たちに真空断熱技術を使った宇宙への挑戦を引き継いでいきたいと思っています。実際に一部の実験は社内の人に手伝ってもらいましたし、今回の経験は社内にもどんどん伝えていきたい。

Tatsuya.Kさん

入社してすぐの頃だったのですが、真空二重断熱容器の保冷性能に関する試験に携わりました。ボトルで培ってきた技術が宇宙事業で活用されるのには驚きましたけど、真空断熱の可能性を信じてきた会社だからこそ、今回のチャレンジに繋がったのだと思っています。

Eri.Nさん

私は、現在の部署に異動してきたばかりなので、真空断熱技術を学んでいるところ。宇宙への挑戦は真空断熱技術を進化させるきっかけにもなると思うので、しっかりと引き継いでいきたいと思います。

医療分野や
住宅業界など、
新たな分野に
広がる
真空断熱技術

電気を使わずに、保温・保冷ができる真空断熱技術。宇宙への挑戦でも活用されたタイガー魔法瓶の技術は、サステナブルな技術としても注目され、自動車や医療、住宅業界など様々な産業での開発が進んでいる。

Yuji.Nさん

自動車業界では、真空断熱技術を活かしてハイブリッド車のエンジン冷却水蓄熱システムをデンソー様と開発しました。走行時の温かいエンジン冷却水を真空タンク内に蓄えておき、エンジン再始動時に保温された冷却水を供給することでエンジン特性を高めるシステムです。

Tatsuya.Kさん

医療分野では、シビアな温度管理が要求される検体や試薬などの医療輸送に活用できるよう開発が進められています。真空二重断熱容器であれば、冷蔵庫を必要とせず、温度維持をしながらの輸送が可能になります。

Yuji.Nさん

住宅分野では、次世代の真空断熱パネルを開発中です。南極で実証実験を行っていたのですが、過酷な気象条件でも性能が劣化せず高断熱住宅を実現するという実験結果が出ています。真空断熱技術は家庭用の魔法瓶だけでなく、世の中に必要とされる分野がまだまだあると思います。医療分野や住宅業界など、タイガー魔法瓶の真空断熱技術を新たな世界へと拡大して社会貢献していきたいと考えています。

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